日本文学専攻は、古代から現代に至る、日本語、日本文学のさまざまな領域に関する研究を行います。日本文学研究では、本文の丹念な読解に基づき、歴史学、民俗学、中国文学など関連する分野の研究成果も視野に入れ、実証的方法をもって、独創的な考察を積み重ねています。日本語研究では、文献資料の分析に基づき、日本語のさまざまな問題を解明しています。
前期課程においては基礎的な研究を俯瞰した上で各自の問題意識を高め、独創的な切り口から問題の本質を捉える力を育成します。このようにして修得した高度な専門知識は、中学・高校の教員として生徒の教育指導に活かせます。後期課程では、博士論文の作成を指導するとともに、自立した研究者の養成を目指しています。
日本文学専攻は、各自の研究領域において確かな見識を持った専任教員6名で構成されています。教員と院生の人間関係を大切にした最良の指導態勢が整っています。
授業科目は主に「特論」「演習」から成り、それらを通してさまざまな研究方法に習熟するとともに、広く日本語、日本文学の研究における動向を学びます。
前期課程では、個別的な論文指導によって修士論文の完成を目指します。後期課程では、さらに研究論文作成、学会発表などを通して、自らが目指すところの研究を構築し、博士論文を作成します。
授業科目 | 担当教員 |
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日本文学特論Ⅰa・b | 教授 北山 円正 |
日本文学特論Ⅱa・b | 教授 樹下 文隆 |
日本文学特論Ⅲa・b | 教授 井上 勝志 |
日本文学特論Ⅳa・b | |
日本文学特論Ⅴa・b | 教授 永渕 朋枝 |
日本文学史特論a・b | |
日本語学特論Ⅰa・b | 教授 安原 順子 |
日本語学特論Ⅱa・b | 准教授 橋本 礼子 |
日本文学演習Ⅰa・b | 教授 北山 円正 |
日本文学演習Ⅱa・b | 教授 樹下 文隆 |
日本文学演習Ⅲa・b | 教授 井上 勝志 |
日本文学演習Ⅳa・b | |
日本文学演習Ⅴa・b | 教授 永渕 朋枝 |
日本文学史演習a・b | |
日本語学演習Ⅰa・b | 教授 安原 順子 |
日本語学演習Ⅱa・b | 准教授 橋本 礼子 |
日本文学特殊研究Ⅰa・b | |
日本文学特殊研究Ⅱa・b | |
日本文学特殊研究Ⅲa・b | |
日本文学特殊研究Ⅳa・b | |
日本語学特殊研究a・b | |
中国文学特殊研究a・b | |
論文指導演習a・b | 各担当教員 |
学位論文 |
授業科目 | 担当教員 |
---|---|
日本文学特論Ⅰa・b | 教授 北山 円正 |
日本文学特論Ⅱa・b | 教授 樹下 文隆 |
日本文学特論Ⅲa・b | 教授 井上 勝志 |
日本文学特論Ⅴa・b | 教授 永渕 朋枝 |
日本語学特論Ⅰa・b | 教授 安原 順子 |
日本語学特論Ⅱa・b | 准教授 橋本 礼子 |
日本文学演習Ⅰa・b | 教授 北山 円正 |
日本文学演習Ⅱa・b | 教授 樹下 文隆 |
日本文学演習Ⅲa・b | 教授 井上 勝志 |
日本文学演習Ⅴa・b | 教授 永渕 朋枝 |
論文指導演習a・b | 各担当教員 |
※a=前期開講科目 b=後期開講科目
2017年度の各課程の概要について表示しています。
なお、2018年度については担当教員を含め一部変更の可能性があります。
日本文学共同研究室に研究のための基本図書を配備するとともに、最新の研究、隣接する諸分野の研究に精通できるよう、さまざまな研究分野の図書をそろえるように配慮しています。教員・在学生・卒業生などを構成メンバーとする神戸女子大学国文学会があり、毎年秋に講演・研究発表会を開催しています。また会員の研究成果を公表する場として『神女大国文』を年1回刊行しています。
中学・高校・大学などの教員・図書館司書・一般企業の社会人として活躍しています。専門的研究職に就き、自立した道に進む人も育っています。
関連する機関として三宮キャンパスにあり、能、狂言、浄瑠璃、歌舞伎、民俗芸能などの貴重な資料を豊富に所蔵し、研究・調査を行っています。大学院生にも広く公開されていて、他大学の研究者や院生との研究交流の場ともなっています。
当時の社会状況や他座との関係において成り立っていた浄瑠璃・歌舞伎の作品について、典拠や当て込みなどにも注意して精読することによって、作者の構想・趣向を中心とする作品の制作状況を追究する。併せて、六段本や奥浄瑠璃本なども援用しつつ浄瑠璃諸本を調査・検証して、正本の出版事情や作品の上演実態の解明を図る。
平安時代の漢詩漢文学の展開、およびその周辺の文学作品とのかかわりに関心を持っている。中国文学を受容しつつ、どれだけ新しい表現や詩想を生み出したのか、また他の分野の文学(古今集・源氏物語等)にいかに取り入れ、活性化させたのかを考えている。さらに文学だけではなく、文化全般にどういった影響を与えたのかを考究している。このほか平安時代の年中行事(七夕・重陽等)と文学作品との関連についても興味がある。年中行事と文学とは結びつきが強く、一方を知ることはもう一方と知ることに繋がると言ってよい。これにも中国文学および文化の受容という問題が絡んでおり、さきの研究対象とも関連する。幅広い視点から検討するつもりでいる。
古典文学研究に必須の時代ごとの文学環境を明らかにすることで、謡曲など、中世の文学作品がどのような知識に基づいて書かれているのかを考える。特に、中国・日本の古典知の蓄積と変容を時代ごとに解明し、依拠資料や和様化の過程をたどり、その傾向を儒仏道の思想的変遷を軸に読み解くことで、中世文学作品の新たな読みを試みる。また、能・狂言などの中世芸能がどのような歴史をたどって今日に至っているのかを考える。
日本近代文学を、近代・キリスト教・女性・家族などの視点から研究する。北村透谷・島崎藤村・民友社の文学を中心に、芥川龍之介・太宰治などの作品、世相・映画・手紙・雑誌についての研究も行ってきた。作品が時代の中で描かれることを重視し、資料を用いて作品成立時の状況を明らかにすることから、作品を考察する。
日本語を母語としない外国人への日本語教育と外国人に日本語を教える日本語教員養成が専門分野である。日本語を外国人に教えるには、「日本語」「日本語教授法」「日本文化」などのさまざまな分野の知識を学ぶ必要がある。主に、教授法の一つとしてのICTを使用した日本語教授法、日本語音声指導の方法、日本語の読解教育について研究している。
日本語諸方言の文法事象を対象にし、特に推量表現、意志表現や勧誘表現といったモダリティに関心を持って、記述的なアプローチでの研究を進めている。また全国を視野に入れた言語地理学的研究や、江戸期以降の文献に残る方言の記述と現在の形式や用法とを照らし合わせての歴史的研究、さらに談話の分析などから、方言の変化も考察している。