食物栄養学科のNews詳細
2010年2月23日
学園広報 橘
ポーアイ4大学による連携事業−学生研究支援事業“きらめきプロジェクト”
〜私たちの手で「食育」を始めよう−身近な旬野菜料理をつくろう〜
この催しは、「ポーアイ4大学連携推進センター」が2009年5月、連携協定を結ぶ4大学の学生達に対し「学生研究支援事業“きらめきプロジェクト”」と題して公募を行い、6月1日に選定が発表された学生企画の1つとして開催されました。
神戸女子短期大学からは、V-ネットメンバーで2年次の日高さんを代表に5名が中心となり応募案を作成し、調理の支援にはV-ネットメンバーを中心に、食物栄養学科の学生有志も参加して行われました。
学生達のアドバイザーとして、クラブ顧問で食物栄養学科の森下 敏子教授と今本 美幸講師も参加。特に調理で使用したじゃがいもは森下教授がケナフやローレルの研究用に短期大学のグラウンドの一角で栽培を行っている畑に子ども達と一緒に植え、学生達が収穫作業を行いました。
このプロジェクトの大きな特徴は、全てのことが学生達の手によって主体的に実施されていることです。先生方はあくまでも実習の支援者として、学生達に交じって子ども達の調理の様子を見守りました。
今回学生達は運営者としての責任と安全管理や対策を考える上で、じゃがいもとさつまいもの皮むきにピーラーではなく、最新の調理器具ともいえる皮むき専用の手袋を導入しました。 子ども達も、ゴシゴシと擦るだけで皮むきができることに、興味津々で挑戦していました。
調理方法の説明も学生が実演を交えながら行いましたが、時折子ども達から飛び出す質問や声掛けに、タジタジとなりながらも最後まで笑顔でやり抜きました。
今回は「食育」が大きなテーマとなっていることもあり、さつまいもの花の写真を見せて、「これは何の野菜の花でしょう」とクイズを織り交ぜながら説明が行われていました。
特に手絞りで作るオレンジジュースでは、「まずは絞ったままで飲んでみてね。どんな味がするかな?次は水で割って飲んでみましょう。すっぱいなと思ったら、自分の好みでシロップを入れてね。最後は、お店などで売っている果汁100%のジュースを飲んで、味の違いなどを比べてみてね」という説明が行われるなど、子ども達にも馴染み深いジュースを取り上げて、材料や作り方など、生の果汁と製品化されたジュースを比べてみる体験など工夫がされていました。
グラタンではホワイトソース作りは重要であり、バターや小麦粉を焦がすと色が茶色くなったり、混ぜ方が悪いとダマになって食感が悪くなるなど、想像以上に難しい作業です。 子ども達は真剣な眼差しで取組み、時折交代しながら一生懸命に木杓子で混ぜた結果、どのグループも滑らかでフワフワのホワイトソースに仕上がりました。 じゃがいもやウインナーなどの具材を入れて混ぜ、グラタン皿に流し入れてチーズをふりかける作業も手際よくこなしオーブンに入れました。
スィートポテトは蒸したサツマイモを交代でマッシャーを使ってつぶし、手で丸めて成型しアルミカップに入れたあと、卵黄を上に塗る作業をしてオーブンへ。 作業の合間にはオーブンの周りに子ども達が集まり、中の様子を覗き込む姿が見られました。
出来上がるまでの間、手で絞って作ったオレンジジュースの味見が行われ、子ども達は実験気分で、「そのままのほうがおいしい」「すっぱいからもっと甘くしてみよう」などと、お互いに意見交換したり学生と話しながら楽しそうに味くらべをしていました。
学生達が作った紙のランチョンマットを敷いて準備が整う頃にはグラタンが出来上がり、マットの絵を見ながら皿やスプーンとフォーク、最後に出来上がったスィートポテトが並べられました。
「手を合わせて」「いただきます!」の挨拶とともに、一斉に子ども達がふうふう吹きながら満足そうに食べ始めると、その様子を幸せそうに見つめる学生達の笑顔にもやり切った達成感があふれました。
神戸女子短期大学のV-ネットはクラブ活動として、神戸市などの栄養士の方々はもちろん、姉妹校である神戸女子大学や他大学の管理栄養士や栄養士の養成課程で学ぶ多くの学生達とも連携協力をして、地域社会の中で食育活動に関わる多くのイベントや行事に参画しています。
今後もより一層、食育活動の担い手として成長していってくれることを願っています。