第4回再チャレンジ支援講座について

第4回再チャレンジ支援講座は3月23日をもって終了しました。
第4回の修了者37名が修了証を受理されました。

第4回再チャレンジ支援講座修了式 祝辞

平成21年3月23日

社会人のための学び直し講座第4期生のみなさまの修了式にあたり、学長に代わりまして、一言修了のお祝いを申し述べたいと思います。

あらためまして、修了おめでとうございます。

今回は67名の方々の応募があり、選ばれました37名のみなさまが本日修了式を迎えるに至りました。みなさまのご努力に一言敬意を表したいと思います。

ところで、本プログラムは文部科学省が実施しています「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」の支援のもと委託を受けて行っている事業であります。この事業の目的は、大学、短期大学、高等専門学校等の高等教育機関における教育研究資源を活用し、社会人の再就職やキャリアアップなどを実現するものであります。そして、この取り組みの背景には政府による「再チャレンジ」という言葉があることはみなさんもご承知のことでしょう。

高度に成長した社会では、誰でもが自らが持つ「知識」や「技術」を日々新しいもの、より高度なものに変える機会を持つことができるとともに、社会がダイナミックに発展するためには、多様な働きの場を共有し、働きたい人が働くことができる環境を整備する必要があります。そのことを強調する意味で「再チャレンジ」という言葉が使われたのではないでしょうか。

正にポイントは、どのようにして、人にとってプラスの循環型社会を作り出すかが課題なのであります。

そして、この講座の目的は私ども高等教育機関と地域の諸機関が連携して、その「知」を生かし、みなさまが持つ「知」を新しいものにしていただき、それを地域や社会に還元していただくことにありました。

さて、わが国は、21世紀に入り、情報通信技術を中心とした情報社会に変容して参りました。情報社会においては、これまでの需要創造のための手段とした「知識」を、知識そのものに価値があり、知識を資源として重要視する「知識社会」への移行がポイントであり、知識社会の構築には、人そのものに価値があるという、人間性を重視する物事の捉え方へ、社会がシフトする必要があります。

そして、このことは、いくつかの専門職をのぞいて、すべての職種が知識労働に移ってゆくと考えられます。

たとえば、農業労働においては、情報通信技術を駆使して、消費者に生産物を十分に理解してもらうとともに、様々な消費者のニーズを把握し、受注生産の拡大により、無駄のない最適な生産を進めるようになって行くことでしょう。ひいては、その事が、次世代への負を招く過剰な生産や大量の廃棄を避けることにもつながり、グローバルな意味での持続可能な地球社会の創造にもつながるわけであります。

我が国は、昨年起こりました100年に1度という世界的な経済危機の中にあります。そして、その影響が私たちの生活にも出てこようと致しております。この危機の原因として、情報技術を駆使した金融資本主義の崩壊によるところが大きいと言われております。物の創造をともなわない、情報だけのやりとりで自らの欲望を満たす、そのように情報が社会に使われたことが大きな原因であったと考えられます。

しかし、本来の情報社会は人にやさしいものであるはずです。たとえば、みなさんもお使いになっている電子メールは、メールの受け手が、受け手の都合にあわせてメールを読んだり、返信をしたりすることができる受け手の立場に立った道具なのであります。メールを送ったのにすぐに返信してこないと怒っている方を見かけたりしますが、それは間違いなのです。情報通信技術は道具であります。その背後に人を見るそのことがなければそれは誤った道具の使い方であり、そして、間違った使用が横行しているために社会には多くの問題が発生してきています。

すなわち、情報社会においては人を気遣う心、はばやゆとり、あそびを持つことが重要なのです。そして、そのことは仕事のおいても重要であり、新しい「知識」や「技術」を学ぶとともに、そこに、人、心という要素を盛り込むことが大切になってきます。 知識社会においては、構成員は常に自らの知識や技術を最新のものにしておくことと同時に他者を意識する能力が求められるのです。

昨今の日本社会では、情報化やグローバル化の中で、これまで私たちが経験したことのない、様々な形での格差が生じてきています。安全で住みやすい社会を創造するためにはそのような格差を解消する努力と格差を乗り越える努力が求められます。

私たちは、私たちが持つ智慧を活かして、様々な課題を克服する必要があります。わが国がかかえているさまざまな課題を解決し、持続性ある豊かな社会の構築には、ここで学ばれたみなさまのお力が必要です。

これを期に、一つの目標を胸に、自らが変わる勇気を持って、前を向いて努力をしてほしいと思います。意志があれば必ず道は開けるものです。これからも、皆さんお一人お一人がいろいろな場面でいろいろな事を学びを続けられ、仕事においても生活においても充 実して活躍されますことを祈念致しまして、私の祝辞とさせていただきます。

第4回再チャレンジ支援講座修了式第4期生答辞

ちらほらと桜便りが聞かれる今日この頃ですが、本日、私たち37名、再チャレンジ支援講座4期生は修了式を迎えることになりました。

私は、ドイツで音楽の仕事をしていましたが、健康上の問題のため昨年日本に帰国してきました。普通の事務の仕事の経験もスキルもなく、これからの自分の人生をどのようにしていくのか、またどうやって就職先を探そうかと悩んでいたとき、当講座に出会いました。最初の授業は、就職するために今までの自分の人生を振り返り、自分の長所や適性を見つけるという「自己分析」でした。このように自分のことをじっくり紙に書いて見つめ直すことを私は今までしたことがなく、就職の為だけではなく、これからの人生を考える上で、とても良い経験になったと思っています。そこで見つけた自分を企業の求人像に照らし履歴書や職務経歴書にあらわし、その自分を面接官にしっかりとPRする模擬面接までの一連の「キャリア教育」、「女性の知っておきたい労務知識」、「ビジネスマナー」、「接遇訓練」は、長く日本を離れていた私にとって、日本社会に再びとけこみ仕事をしていく上でとても意義のある講義でした。さらに15回にも及ぶワード・エクセルのパソコンの実技と、2ヶ月間という期間が短く感じられるとても内容の濃い講座でした。

本日ここに私たち、4期生が巣立ってまいりますが、本講座を受講させて頂けたことに深く感謝しております。主婦・母子家庭・定職を持っていなかった女性と異なる環境を持った私たちですが、再チャレンジしようという目標は同じで、百年に一度の不況といわれている状況下ではありますが、ここで学ばせていただいた知識、技術をこれからの私たちの人生に役立てていきたいと思います。そして、ともに学んだ経験を共有する仲間として、今後も励ましあい、助け合っていければと考えております。

最後になりましたが、熱心にご講義、ご指導していただいた講師の方々、手厚い配慮をしていただきました事務局の方々に改めて御礼を申し上げるとともに、御校並びに「再チャレンジ支援講座」のますますのご発展をお祈りし、第4期生を代表して感謝の言葉とさせていただきます。

平成21年3月23日
第4期生受講生代表  稲林 愛

第4回再チャレンジ支援講座の応募状況

イラスト
応募状況概要
応募者数 67人
受講決定数 40人
受講者内訳
主婦 23人
母子家庭 5人
フリーター等 12人
受講者内訳(年代別)
20代 5人
30代 21人
40代 12人
50代 2人

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