「第2回再チャレンジ支援講座は7月14日をもって終了しました。第2回は受講者40名全員が修了証を受け取りました。以下は修了式の式辞と答辞です。
第2回再チャレンジ支援講座修了式式辞
社会人のための学び直しプログラム第2期生のみなさまの修了式にあたり、学長に成り代わりまして、一言お話をさせていただきたいと思います。
まずは、修了おめでとうございます。第2期のプログラムには182名の方々の応募がありました。そのうち、選び抜かれました40名のみなさまが学びを共有し、全員の方々が本日修了式を向かえるに至りました。みなさまのご努力をお祝いするとともに一言敬意を表したいと思います。
さて、本プログラムは文部科学省が進めております「社会人の学び直しニーズ対応教育推進プログラム」の支援のもと委託を受けて実施している事業であります。この事業の目的は、私ども高等教育機関ならびに地域の諸機関が有する「知」を生かし、連携を通してみなさまが持つ「知」を新しいものにしていただき、それを地域や社会に還元していただくことにあります。
これまで、わが国は、高度な科学技術が作り出した便利な物を中心とした物質社会、工業社会により豊かさを享受して参りました。しかしながら、21世紀に入り、20世紀後半に開花した情報通信技術が、インターネットを中心とする情報社会を作り出しました。
情報社会は、それまでの社会が需要創造のための手段とした「知識」を、知識そのものに価値があり、知識を資源として重要視する「知識社会」への移行をうながしました。
知識社会の構築は、人材を代替可能な労働力という捉え方から、人材そのものに価値があるという捉え方へ、人間性を重視する社会への移行を意味するものであり、これからの企業においては知識への投資が重要なテーマになってくるでしょう。
これからは、いくつかの専門職をのぞいて、すべての職種が知識労働に移行するでしょう。一例を挙げるならば、これからの農業労働は、発展した情報通信技術を駆使して、消費者に生産物を十分に理解してもらうとともに、様々な消費者のニーズを把握し、受注生産の拡大により、無駄のない最適な生産を進めるように移行して行くでしょう。強いては、その事が、次世代への負を招く過剰な生産や大量の廃棄を避けることにもつながり、グローバルな意味での持続可能な地球社会の創造にもつながるわけです。
知識社会で核となる情報社会は、バーチャルな世界と現実世界が融合したものであり、人類が今までに経験したことのない、私たちのイメージに根ざした社会です。そして、情報社会は、これまで、私たちを縛ってきた時間や空間の呪縛を解く社会を作り出しました。ネットにつながったパソコンの画面が全地球と言っても過言ではありません。当然、そのような社会では、仕事の形態は変化してゆきます。判断力、想像力、専門知識、専門技術と経験が融合するとともに、常にそれらを磨く必要があります。
知識社会においては、構成員は常に自らの知識や技術を最新のものにしておくことが求められるのです。
わが国は世界でも希な超少子高齢社会、人口の減少する減少社会に突入しています。ここで述べて参りました、物質の世紀から、環境や心の世紀に移行する中で、女性の役割には大きなものがあります。心の世紀は、また、女性の世の中であるかも知れません。情報社会で求められるものは、これまで以上に細やかな心遣いであります。
この講座は、社会の進化の中で、より豊かな人間性を重視する社会を構築してゆくために、仕事という切り口において必要な「知」を集約してみなさんに伝達することであったと考えられます。
昨今の日本社会では、情報化やグローバル化の中で、これまで私たちが経験したことのない、様々な形での格差が生じてきています。
私たちは、私たちが持つ智慧を活性化し、様々な課題を克服する必要があります。これから、わが国が向かえる減少社会において、ここで学ばれたみなさまのお力なしに持続性ある豊かな社会の構築を望むことはできません。
これを期に、皆さんお一人お一人がいろいろな場面でいろいろな事を学びを続けられ、仕事においても生活においても充実して活躍されますことを祈念致しまして、私の式辞と致します。おめでとうございました。
運営委員長 浅木森 和夫
第2回再チャレンジ支援講座受講生代表答辞
本格的な夏の訪れを間もなく迎える頃、本日、私たち再チャレンジ支援講座2期生は40名全員がかけることなく、無事、修了式を迎えることになりました。
昨年、文部科学省がスタートさせたこの“社会人学び直しプログラム”の一環である本講座は神戸女子大学の企画と地域団体の協力と賛同で実現化されたもので、フリーターや主婦の私たちが再就職するのに必要な知識と技術の習得をすることを目的とし、「パソコン」「自己分析」「履歴書の書き方」「ビジネスマナー」「模擬面接」など非常に充実した内容の講義が行われました。
5月19日、期待と不安な気持ちで迎えた開講式で、“あなたがたは再チャレンジしたいという多くの応募者の中から選ばれた人です。自信を持ってください。そして、理想を実現化させましょう。”とのお言葉をいただき、緊張と不安な気持は、毎回の講義を終了する度にやる気と自信に変わっていきました。
特に、ブランクのある私たちが再チャレンジに立ち向かうには、「パソコンの技術習得」については必修でした。
それぞれの名称や言葉の意味など丁寧に一から教わったことで、授業は戸惑いながらも学ぶことを楽しむ好奇心で満ち溢れた雰囲気の中で、しっかりと学ぶことができ、授業以外でもパソコン教室を開放していただけましたので、独自で練習することもありました。
また、「自己分析」においては、「自分を振り返る」ことで、自分を見直す、良さを発見することができ、大変な作業ではありましたが、これは就職とは別の場面にも役に立つことと思いました。「労務知識」では、「知る」「知っている」ことの大切さと、世の中の変容の中で弱者を救うための制度や法律が次々に改正されていることを学びました。そして、「ビジネスマナー」「接遇訓練」は、再び社会に出ていく上で、限られた人間関係の中でのコミュニケーションだけでは気付かないことであらためてその必要性と大切さに気付かされました。また、シュミレーションを立ててのロールプレイでは、お互いの目を見合って照れ笑いをする場面がありましたが、コミュニケーションをキーワードにしたこの講義でアイコンタクトや笑顔がどれだけ場を和ませるものかということも同時に気付かされました。
あっという間の2か月でした。どの講義も大変有り難い、すぐに役に立つものばかりです。2008年も半年を過ぎました。原油高、株安のニュースに、自然災害、環境問題、食糧問題と大事件が世界中を駆け巡りました。私たちを取り巻く現実は波乱万丈といったところでしょうか。しかし、理想を実現化させる為の準備は、調いました。
“鉄は熱いうちに打て“この講座を修了したことをベースに私たちそれぞれが描くキャリアデザインを具現化していくためにもこの2ヶ月間で学んだことをもって、再チャレンジ活動をしていきたいと思います。きっと叶えていけるものと信じます。そして、不安になった時には、5月19日の開講式で頂いたお言葉を思い出し、途中で諦めることなく、自分の理想を実現化していくのだという気持を忘れず、勇往邁進していけるように心がけたいと思います。
私達40名は、本講座を通して、社会人女性として、再チャレンジを志す同志であることを確認しました。このつながりを大切に、これから励まし合っていきたいと思います。
最後になりましたが、本講座の実施にあたって、神戸女子大学・神戸女子短期大学のプロジェクトに携わっていただいた皆様、ご協力下さった地域団体の皆さま、熱心に丁寧にご講義、ご指導をしてくださった講師の方々、キャリアアドヴァイザーの皆さまには、心より感謝しております。誠にありがとうございました。
御校並びに「再チャレンジ支援講座」の益々のご発展をお祈りし、受講生を代表し、感謝の言葉とさせていただきます。
平成20年7月14日
受講生代表
美甘 亜貴
第2回再チャレンジ支援講座の応募・修了状況
応募状況概要 | |
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応募者数 | 182人 |
受講決定数 | 40人 |
受講者内訳 | |
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フリーター等 | 6人 |
母子家庭等 | 9人 |
主婦 | 25人 |
受講者内訳(年代別) | |
20代 | 3人 |
30代 | 16人 |
40代 | 21人 |
修了者 | |
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受講者40名全員 |