神戸女子大学(以下「本学」という。)では、建学の精神に謳う個人の価値を尊重するとともに、本学に関係するすべての構成員(学生・研究生、科目等履修生、聴講生及び教職員)が相互の信頼関係に基づき、安心して学修・教育・研究・職務等に従事できる快適な環境の確保と、これを将来にわたり維持することが大切であると考えています。
ハラスメントは、人格を傷つけ、個人の価値を否定する行為であり、いかなる場合においても決して許されるものではありません。
このガイドラインは、本学におけるハラスメント等の人権侵害を防止し、快適な学内環境を維持・発展させることを目的としています。構成員ひとりひとりが、このガイドラインを理解したうえで、全てのハラスメントの排除に努めるとともに、本学はあらゆるハラスメントの防止に努め、起きたハラスメントに対しては、ガイドラインに基づき、適切に対処してまいります。
ハラスメントとは、性的な言動によるセクシュアル・ハラスメント、学修・教育・研究に関連する言動によるアカデミック・ハラスメント、優越的な地位や職務上の地位に基づく言動によるパワーハラスメント、性別による差別意識に基づく言動によるジェンダーハラスメント等があり、言動だけではなくメールやブログ、掲示板への書込みなどにより、他人を傷つけることもハラスメントに含まれます。
セクシュアル・ハラスメントには、相手の意に反する性的な言動に対する対応(拒否や抵抗)より、相手方に不利益を与える対価型、相手の意に反する性的な言動により、学修・教育研究・就業の環境が悪化し、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなど、その者が学修・教育研究・就業するうえで看過できない程度の支障が生じる環境型があります。
このような行為は、学内外にかかわらず、また相手のセクシュアル・ハラスメントの意図の有無にかかわらず、被害を受けた人が不快と思えば、セクシュアル・ハラスメントとみなされます。セクシュアル・ハラスメントは異性だけではなく、同性による場合もあります。
教育・研究の場における地位または権力を利用して行う不適切な言動、指導または待遇により、指導を受ける者の人格を傷つけ、学修・教育・研究の意欲を低下させる等、学修・教育・研究環境を悪化させることをいいます。
その他、相当すると認められるもの
職場における地位または権力、上位の立場を背景にして行う不適切な言動、指導または待遇により、労働意欲を低下させ、労働環境を悪化させることをいいます。
その他、性別・人種・国籍・思想信条・年齢等に基づく差別的な言動や取り扱いによって、相手方の人格や人権を侵害して精神的な苦痛を与えるほか、誹謗・中傷、暴力・体罰、虐待等、基本的な人権を侵害するような行為については、「その他のハラスメント」として取り扱います。
また、上記のハラスメントの中では触れていませんが、「アルコール・ハラスメント」と言われる行為もあります。「未成年者飲酒禁止法」によって、20歳未満の飲酒は禁じられていますが、年齢に関係なく飲めない人への配慮を欠く行為、飲酒の強要は法律で禁じられています。急性アルコール中毒につながる危険な行為となります。
ガイドラインは、学生、(研究生、留学生、科目等履修生等、本学で学ぶ者全てを含む)、教職員(雇用関係の有無に因らない)、本学の施設等を職場とする事業者(委託先)等、本学と関わる全ての者(構成員)に適用します。
なお、ガイドラインの適用については、そのハラスメントが本学と関連性を有するものに限り、その生じた場所や時間を問いません。
また、本学の構成員と構成員以外の者との間に生じたハラスメントについては、本学の管理下において行われる職務、学修・教育・研究上の行為に限り、ガイドラインを準用します。
本学では、ハラスメントの防止に努めるとともに、ハラスメントに因る問題が発生した場合は、迅速かつ適切な対応により、安全でかつ健全な学修・教育・研究・就労環境づくりを促進するため、次の組織を設置しています。
神戸女子大学及び神戸女子短期大学の教員、職員及び学生の安全かつ健全な環境を保持することを目的として、神戸女子大学・神戸女子短期大学人権環境委員会(以下「委員会」という。)が設置されています。
神戸女子大学・神戸女子短期大学の教職員で構成され、学長、副学長、学生部職員2名(両キャンパスから1名)、教務部教職員(1名)、文学部教員(1名)、健康福祉学部教員(1名)、家政学部教員(1名)、看護学部教員(1名)、心理学部教員(1名)、短期大学教員(2名)、事務局長(1名)、学生事務部長(1名)
人権環境委員会規程第4条に基づき、ハラスメント調査委員会の設置が定められています。
上記の人権環境委員会の構成員が相談員となります。特に学生については、各キャンパスの学生課及び、各クラス担任、保健室、学生相談室を相談窓口とします。
相談窓口を通じて相談員への紹介や連絡も可能です。相談員・連絡先は、「ハラスメント相談員」一覧で確認ください。
相談は、直接、申し込むほか、手紙、電話、ファックス、電子メールでの申し込みや相談もできます。
ただし、本人(付き添いは可)、実名(匿名は不可)の申込みとします。本人のプライバシーは守られます。
ハラスメントの相談、申立や問題解決の手続きに携わる者は、関係者のプライバシー、名誉その他の人権に配慮し、守秘義務を厳守しなければなりません。
ハラスメントに関する過程において、虚偽の申立や虚偽の証言を禁止します。
このような行為が発覚した場合、本学園は虚偽の申立または証言を行った者に対して厳正な処分を行うとともに、名誉を毀損された者に対する名誉回復措置を講じます。
本学は、ハラスメントの相談、申立を行った者、申立に関わる調査に協力した者、その他ハラスメントに対する問題への対処等に関係、協力した者が、そのことをもって不利益な取り扱いを受けることを禁止します。(報復行為や第三者の差別的取扱い、嫌がらせなども含みます。)
被害者(申立人)が相談や申立てをしたことで相手方(被申立人)または第三者から不利益な扱いや報復行為(脅迫、強要等)を受けた場合、当該言動を行った者に対しては、懲戒手続を取ることがあります。
人権環境委員会は本ガイドラインの運用状況を随時点検し必要が生じた場合には、その都度適切な見直しや改訂を行います。また、本学構成員は、あらゆるハラスメントの防止、被害者救済等の視点から、本ガイドラインの見直しに関する意見をいつでも人権環境委員会に提出することができます。
このガイドラインは、2014年8月1日から施行します。