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2008年7月30日
学園広報 橘
神女と「食育」
生活する上で大切なことに衣・食・住がありますが、中でも生命維持に不可欠なのは「食」です。 自分らしい生き方も、健康なくしては手に入れることはできません。時代と共に変遷する社会経済や生活様式とともに、日本古来の「食」のあり方も大きく変化する中で、食料自給率が4割を切り、食の安全性や健康に関わる深刻な問題が次々と起こっています。
近年主な死亡原因といわれる疾患に「生活習慣病」があり、「メタボリック」はキーワードでもあり、流行語になるほど関心は高まっています。しかし、これは決して大人だけの問題ではありません。社会変化に伴う生活習慣の変遷が、子どもにも影響を及ぼし、「小児生活習慣病」が社会問題となっているからです。 国民の健康改善を目指し、日本の将来を担う子ども達の健やかな成長に不可欠な強い心と身体の育成の核として、「食育」活動は提唱され国民運動として力が注がれているのです。
「命を育む性」を持つ女性の特性と感性を最大限に活かした人材育成と社会貢献を
神戸女子短期大学では、食物栄養学科が地元小学校や幼稚園の子ども達や保護者を対象として、講座や調理実習などの食育活動に力を注いでいます。
その他、高齢者の栄養相談や男性高齢者向けの料理教室を開催するなど、「食」に対する意識の向上を担うことで、健康な地域社会作りへの貢献と人材の育成を目指しています。
また、初等教育学科と保育専攻科では、「子ども達の生きる力」を培うために必要な強い体と心を作る教育活動として、「食育」に力を注いでおり、学生達は教員としての指導力や資質を磨こうと、地元幼稚園や保育所の子ども達と、わくわくファームでの野菜の栽培や調理と食事会などの体験学習を、年間を通して活発に行っています。
両学科とも栄養教諭や教員を目指す学生が多く、手作りでオリジナルの「食育教材」を考案し、「食育フェア」への参加や子ども達との活動の中で活用されています。
総合生活学科も他学科と協働して、他府県への食育出前出張講座を行うとともに、地元の活性化に必要な知識や特性を学ぶことで、社会性と貢献する精神を養い、しなやかな感性を持った女性の育成を行うべく活動しています。
誰かの役に立つことや相手の笑顔に出会うことで、大きな喜びや達成感を感じることができる女性が持つ「豊かなホスピタリティ」という特性を活かし、「地域に根ざし愛される大学」を目標に、幅広く多彩な活動を行うことこそ、神女の人間教育の「伝統」でもあります。
多くの方々とのふれ合いは学生達の学びやスキルを上げるだけでなく、自信につながり豊かな人間性を育くむ力になっています。