種類 | 題名 | PDFファイル |
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原著 | [PDF:509KB] | |
資料 | [PDF:410KB] |
小松原 祥子
本稿では、イギリスの音楽教科書Kickstart Music2021年改訂版の就学前から初等学校修了段階のキーステージ(KS)2までを対象とし、幼小を通した「歌唱」「音程」に関わる技能の発達の視点を明らかにすることを目的とした。分析の観点としては、スワニックの提言が関わった初版1992年版音楽科ナショナル・カリキュラム(MNC)の到達目標「演奏と作曲の能力」のように歌唱(演奏)と作曲の能力とを関連させる傾向があるか、また、スワニック(1986)による音楽的発達の螺旋モデル、同(1994)の示した音楽的活動と音楽理解の構図について考察した。その結果、音楽的発達の螺旋モデルの素材・表現・形式の年齢段階に近い発達の観点と、「歌唱」「音程」セクションの活動において作曲・聴取・演奏を含み、子どもの発達段階に合わせて音素材・表情豊かな特性・形式へと音楽理解が繋がり得る構造、演奏と作曲の能力を就学前から遊びながら育む傾向が明らかになった。
矢野 真理
本研究は、父親の養育行動が家庭での親子の身体活動に及ぼす影響について子育て時間に注目して検討することを目的とした。2022年9月、兵庫県A市の認定こども園に在籍する3歳以上児の保護者112名を対象としてWEB 調査を実施した。父親の子育て時間1時間以上群と1時間未満群の間でそれぞれ平日と休日に分けて各種項目値を比較検討した。分析の結果、休日の父親の子育て時間1時間以上群は、1時間未満群より平日・休日の遊ぶ相手は「父親」、家庭で子どもと一緒にする活動として「絵本や本の読み聞かせをする」、「文字を読んだり、数を数えたりする」、父親の「健康度」や「生活満足度」、「運動嗜好性」が高い、父親母親ともに「親子運動遊びに興味がある」の回答割合が有意に高かった。父親の子育て時間が増加することにより、親子の身体活動や健康度、運動嗜好性が高まる可能性が示唆された。