種類 | 題名 | PDFファイル |
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ノート | [PDF:1.38MB] | |
資料 | [PDF:986KB] | |
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中川 伸子・中尾 美千代
本稿では、神戸が異文化を包摂してきた歴史の中でもひときわ異彩を放つイスラム教の戒律におけるハラール食を中心に調査・研究を行う。
筆者たちはハラールレストランの集まる神戸市中央区中山手通を幾度も訪れてハラールレストラン、ハラール食品店への調査を実施した。その結果、主な客や消費者が訪日外国人観光客ではなく、近隣に居住するムスリム(イスラム教徒)であるということをまず確認した。さらに現在は、滞在ムスリムとは異なる客層を呈しているということを見出した。調査を進める過程で、神戸モスクへの聞き取り調査も実現できた。日本で最も古いイスラム教寺院が建設された様態は、神戸が異文化を喜んで受け容れたことを明らかにするものである。
福井 愛美
本稿では、就職活動において企業が求める人物像と学生が考える人物像との間のずれを明らかにするための予備的調査を行った結果をまとめたものである。女子短期大学生を対象としたビジネスコミュニケーションに関する授業開始前に「学生の考える魅力的な人物像」「どういう人になりたいかという人物像」そして「コミュニケーション能力が高いと思う人物像」について自由記述を実施した。自由記述の内容は計量テキスト分析という手法を用いて、質問ごとに頻出語とその出現回数、および頻出語の共起関係を計算した。
学生の考える魅力的でコミュニケーション能力が高い人物像は、表面的に明るく外交的な特徴を表していた。なりたい人物像にも明るい・笑顔という一群が見られた。長く働いていくためには忍耐や努力が必要であるとするなら、魅力的でコミュニケーション能力の高い人物像の中に、努力や忍耐力に関する人物像が出てきていないことにずれがあると示唆された。
長谷川 美和
日本の伝統文化でもある「茶の湯」の総合芸術時空間に身を置いて、美術鑑賞の実践に取り組むものである。普通教室を茶室としての和室へ改装することを提案し、その茶室を利用した授業の中で、学生自らが制作した美術作品の鑑賞を実践した。畳が住空間から姿を消していく現在においては非日常とも言える茶室時空間ではあるが、一杯の茶をかいして心をかよわせ、和やかな空気の中で仲間と集いあう、茶の湯の時空間がもたらすものを考察した。