種類 | 題名 | PDFファイル |
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原著 | [PDF:514KB] | |
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ノート | [PDF:1,519KB] | |
資料 | [PDF:520KB] | |
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研究活動 | [PDF:577KB] |
塚田 みちる
本研究は、保育者を目指す学生の実習中における子どもとの関係形成を検討したものである。幼児教育学科学生を対象に、初めての実習である「保育実習」と、続く「教育実習」終了後におこなったエピソード記述を分析対象にした。エピソード記述は「関係発達論」と、その方法論「関与観察とエピソード記述」に依拠した。分析は、エピソードのテーマに沿ってカテゴリーに分類するかたちでおこなった。その結果、エピソードのテーマは「通じ合い場面のさまざま」「せめぎ合う2つの気持ちのはざまでの葛藤」「子どもの思いを受け止めて対応すること」の3つに大別された。初めて実習である保育実習では、子どもの思いと自分の思いとの葛藤体験が半数以上報告された。一方、教育実習では子どもとの通じ合い体験などが報告された。また、エピソード記述を読み解いていくと、「間主観的把握」「両義性」といった「関係発達論」の中核概念に辿り着くことが示唆された。
中川 伸子
対話の始まりである挨拶を、私たちはどのような姿勢で励行すべきかを、まず論じる。本論においては、「対話力」の諸相として、対話をさまざまな視点、及び場面から捉える。「対話」を阻む態度、仕事における「対話」の必要性、社会的支え合いとして求められている「対話」を諸調査、諸理論を援用して述べ、さらに福祉に資する態度とことばについては「治療的コミュニケーション」として、筆者のこれまでの研究をまとめている。
「対話力育成の基盤」としては、「ことば」の習得と蓄積は大切であるが、それ以上に「態度形成」の重要性を述べ、対人コミュニケーションの基本的態度を明らかにしている。
西川 貴子・平野 直美・今本 美幸・中村 智英子・平郡 玲子
校外実習指導に役立てる目的で、平成24年度の校外実習を終えてのアンケートを集計し、学生の自己評価の実態と課題を把握した。その結果、前回と同様、学生の自己評価が高かった項目は時間厳守で、低かったのは下調べや準備であった。また、実習条件別に集計検討した結果、事業所に行った学生や5人以上班の学生、10月に実習に行った学生の自己評価が低い傾向であった。さらに、後輩へのアドバイスとして学生があげた内容は、挨拶や返事などの基本的姿勢に関する内容に加え、包丁の使い方や献立作成など知識や技術が多かった。今後、基本的姿勢と積極性・自主性の指導の強化に加え、知識や技術についての指導の充実が必要である。また、班人数や実習時期などについての検討も必要である。
本田 まり・田中 智子・中野 佐和子・才新 直子
栄養教育・指導法の一つである「3.1.2弁当箱法」の体験セミナーを食物栄養学科の学生を対象に行い、アンケート調査にてセミナー継続に関する客観的評価や参加学生の特性等を検討した。結果、セミナー継続に関する評価としては、「3.1.2弁当箱法」の手法のわかりやすさや体験実習の楽しさ等からイベントに対して高い評価が得られ、参加学生の全員が「参加して良かった」と回答した。後輩へも「大いに勧める」が約88%を占め、今後の継続に値する食イベントであると考えられた。また、アンケート結果より参加動機と希望進路に関連性がみられ(p <0.05)、体験セミナーに「自主的に参加」と回答した学生では、「栄養士職または進学を希望」が殆どであった。将来、食の専門職を目指す学生の増加のためには、授業内外で食への関心を高めておくことが重要であるが、食イベントの実施もその一手段になり得ると思われる。
田中 智子・石田 康浩*・奥田 まなみ*・茶山 健二*(*:甲南大学 理工学部)
販売用サラダの原料である、サニーレタスの部位別ミネラルと呈味成分の含有量を測定した。ミネラルはICP発光分光光度法で9元素を、呈味成分はキャピラリー電気泳動法によりシュウ酸を始めとする8種類を測定した。その結果、サニーレタスの部位別ミネラル含有量は、KとFeをのぞき、葉に多く次いで中間部、芯の順となった。栽培時期では、主要ミネラル濃度(Ca,K,Mg,P)は、夏から秋にかけて少なくなり、1月と2月に多くなる傾向となった。これは、供給された野菜が12月から露地栽培からビニールハウスに栽培が移行するため、栽培地や方法が異なるためと考えられる。呈味成分の含有量は、酸味とうま味は葉に多く、次いで中間部、芯となり、甘味では芯に多く、中間部、葉の順となり、栽培方法による違いによる明瞭な結果は得られなかった。
本保 弘子
神戸女子短期大学学生部食堂改善部会では、平成22年度、23年度に食堂2階のリフォームを検討することになり、筆者は委員の立場で複数のリフォーム案を提案した。23年度には、厨房部分を除くリフォームの実施が決まり、筆者の提案の一つが採用となった。採用案は、食堂2階の座席数を増加し、食事場所を兼ねる丸テーブルのラウンジ風エリアを含むものであった。リフォーム後は、昼食時間帯以外でも利用されている。ラウンジ風エリアでは、おしゃべりなど友人とくつろぐ学生の姿がみられ、座席数の多い長方形テーブルでは、レポート作成など数人で学ぶ学生の姿を見かける。
平成24年度には、食堂2階の階段北側にあった厨房部分の撤去工事が実施された。これに伴い学生が利用できる食堂スペースとして約31㎡が追加となった。このスペースのリフォーム計画案として、食事用の椅子とテーブルを配置するとともにパウダーコーナーを提案した。これは平成22年度学生懇話会の学生代表からの要望・意見として、「化粧室(メイクアップルーム)が欲しい。」があげられたことに答えようとするものである。キャンパススペースに関する学生満足度を向上させるために、女子学生にとって居心地の良い居場所空間の一つとして提案したものである。大多数の女子学生の日常生活には、お化粧直しはかかせないものである。キャンパスは学びの場であるとともに生活の場であると考える。今回の提案も、前回同様、学生生活をより充実させるためのキャンパス内における生活空間・交流空間であり、在学生の憩いの場であり、教室とは異なる「ホッとする」スペース、学生時代の思い出の源泉となるスペースとしたい。昼食時以外でも利用したくなる居場所空間の創出をめざした。
また、女子短大のキャンパススペースデザインは、利用者である女子学生の目線で決めていくべきだと考える。業者からの一つだけの提案を受け入れて実施する方法を続けていては女子学生の満足度は向上しない。他の女子大学では既に学生の意見を取り入れた図書館リフォームを実施し、WEB ニュースとして報道されている。