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2016年11月26日
学園広報

神戸女子大学古典芸能研究センター公開研究会
「伝統と現代をつなぐもの−民俗芸能と古典芸能−」開催

古典芸能研究センター公開研究会の様子研究発表の様子 古典芸能研究センター公開研究会の様子総合討論の様子 古典芸能研究センター公開研究会の様子企画展「播磨の民俗芸能点描−民俗学者西谷 勝也氏の写真より−」を見学する来場者

2016年11月26日・土曜日に、神戸女子大学古典芸能研究センター研究プロジェクト「日本古典芸能の横断的総合的研究拠点の形成」主催の公開研究会「伝統と現代をつなぐもの−民俗芸能と古典芸能−」を開催しました。

会場となった教育センターには、約80名の参加者が訪れ、盛況となりました。

現在、舞台の上で演じられる古典芸能の背景の一つとして、さまざまな歴史風土の中で地元の人々によって受け継がれてきた民俗芸能の存在が想定されます。その古典芸能と民俗芸能は、単に洗練と素朴の関係にあるのではなく、相互に共通する要素を持ち、影響を与え合いながら、それぞれの場で発展を遂げてきたという見地から、主に民俗学側の研究者による研究発表と総合討論が行われました。

最初の登壇者、沖縄県立芸術大学附属研究所共同研究員の遠藤 美奈氏は、沖縄の人びとの生活に根付いた民俗芸能が、現代的な解釈のもと、どのように継承されてきたのかをハワイでの事例を中心に発表されました。

続いて、京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授の藤田 隆則氏は、民俗芸能の歌舞の伝承で発生する「コトバのウタ化」について、練習の場での調査を通して独自の考察を発表されました。

3番目の古典芸能研究センター客員研究員・元兵庫県立歴史博物館館長補佐の小栗栖 健治氏は、兵庫県下において、かつて荘園の鎮守社であった神社の祭礼行事には、キの祭礼の影響が認められることを、様々な史料を使って示しました。

最後に登壇された追手門学院大学教授の橋本 裕之氏は、播磨の王の舞についてさまざまな角度の考察を発表されました。

その後の総合討論では、古典芸能研究センター客員研究員・法政大学能楽研究所教授の宮本 圭造氏と大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館教授の松尾 恒一氏をコメンテーターに迎え、川森 博司古典芸能研究センター長の司会のもと、研究発表者の4名が意見を出し合い有意義な討論が行われました。

古典芸能研究センター展示室では、企画展「播磨の民俗芸能点描−民俗学者西谷 勝也氏の写真より−」を開催しており、受講者は昼の休憩時間や研究会終了後、熱心に見学していました。

プログラム

趣旨説明
伝統と現代をつなぐもの
川森 博司(古典芸能研究センター長・神戸女子大学教授)
研究発表
  1. 沖縄における民俗芸能の位相−現代に生きる伝統−
    遠藤 美奈(沖縄県立芸術大学附属研究所共同研究員)
  2. 民俗芸能における歌舞の儀礼性−古典芸能と民俗芸能をつなぐもの−
    藤田 隆則(京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センター教授)
  3. 兵庫県の祭りと芸能−伝統とその展開−
    小栗栖 健治(古典芸能研究センター客員研究員・元兵庫県立歴史博物館館長補佐)
  4. 播磨における王の舞の諸相
    橋本 裕之(追手門学院大学教授)
総合討論
<コメンテーター>
宮本 圭造(古典芸能研究センター客員研究員・法政大学能楽研究所教授)
松尾 恒一(大学共同利用機関法人 人間文化研究機構 国立歴史民俗博物館教授)
<司会>
川森 博司

当日のアルバム


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