神戸女子大学のNews詳細
2014年11月30日
神戸女子大学古典芸能研究センター
古典芸能研究センター国際研究集会開催
神戸女子大学古典芸能研究センターは、2014年11月29日・土曜日及び30日・日曜日にポートアイランドキャンパスで、国際研究集会「見つめる能面・能面を見つめる」を開催しました。
この国際研究集会は、2013年度文部科学省「私立大学戦略的研究基盤形成支援事業」に採択された古典芸能研究センターの研究プロジェクト「日本古典芸能の横断的総合的研究拠点の形成」の一環として開催したもので、2日間で学内外延べ約160名の参加がありました。
初日は、「国際的に多様な視点から能・狂言面を考察する」と題し、研究プロジェクト代表 大谷 節子教授による基調講演をはじめ、国内外の第一線で活躍する研究者による、仮面と仮面劇についての講演がありました。講演の前に、神女大初の国際研究集会開催にふさわしく、茂山 七五三氏・茂山 宗彦氏らによる狂言「三番三 鈴の段」の上演がありました。また、会場内には、初日限定で、京都の片山家能楽保存財団所蔵の能面二面を展示し、来場されていた人間国宝の能役者 片山 幽雪氏が、飛び入りでその面の解説をして下さいました。残念ながら、この日登壇予定であったドイツ ケルン大学のピーター・マルクス教授は体調不良で来日が叶わず、神女大国際交流推進部長 海老 久人教授が予め頂戴していた講演原稿の日本語訳を代読しました。
2日目は、「学際的に多様な視点から能・狂言面を分析する」と題し、宗教学者 山折 哲雄氏の講演とシンポジウム「能面を科学する」を行いました。シンポジウムでは、京都造形芸術大学舞台芸術研究センター所長で古典芸能研究センター客員研究員の天野 文雄氏の司会のもと、人類学・民俗芸能・美術史・材料科学の各学問分野の専門家が、演者を交えて、仮面そして能・狂言面について研究報告を行い、更に討論者を交えて討議しました。
今回の国際研究集会は、日本の古典芸能の中でも「能・狂言面」を、同じく面を使った国内外の演劇や芸能と比較考察したり、演劇学や芸能史に留まらない様々な学問分野からの視点やあるいは演じ手側の視点から考察を深めたりすることのできた2日間でした。もともと能・狂言あるいは面に関心のあった参加者は、この研究集会を通して、一層深い理解と新たな発見を得ることが出来たようでした。