2025.06.13 史学科 齋藤
兵庫県小野市の西方・紅山の山麓は、いくつもの古墳が造営されたエリアとして知られています。そのうちの1基である岩倉2号墳は、高さ3m、直径15mの円墳で、古墳時代後期(6世紀)に作られました。
注目すべきは、小野市内に現存する古墳のなかで最大級を誇る横穴式石室です。石室の入口から狭い羨道を進んでいくと、死者を葬った玄室が広がります。奥行4.5m、高さは2.8m、壁や天井には巨石がふんだんに使われました。
人々が作り、遺したモノから、私たち人類の歴史を解き明かしていく考古学では、現地に足を運び、自らの眼と手を使って過去の人たちが遺したモノを観察することが重要です。どのような順番で石を積んで石室を作り上げたかを精確に把握したうえで、この石室であれば死者の頭はどの方角に来るか、その向きに石室を作らせたのは6世紀代のどのような斎忌観念だったのかなど、意見を出し合います。
6月22日(日)に開催されるオープンキャンパスでは、この授業を担当している齋藤 瑞穂先生が体験授業をおこないます。VR体験コーナーではこの岩倉2号墳の石室を体感していただけます。たくさんのご来場をお待ちしています。
VRを体験する齋藤先生
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