2023.07.11 社会福祉学科
2023年7月11日・火曜日の専門演習Ⅰ(3年生ゼミ)において、2022年度に引き続き、学外特別講師として高島 順子氏をお招きしました。高島氏は、重度知的障がいのある成人男性の母親で、「障がいのある人も住み慣れた地域で暮らし続ける」ことを目指して、さまざまな地域活動にも精力的に取り組んでこられています。2023年度は「歩みを振り返る」というテーマでお話をして頂きました。津田ゼミ・名定ゼミも合流して、合計14名の教員・学生が高島氏のお話を伺いました。
まず、高島氏からはご自身が担っておられる「知的障がい者相談員」「福祉サービス利用援助事業の生活支援員」「施設家族会の会長」のお仕事を含めて自己紹介がありました。そして、息子さんの誕生から今日までの歩み、専門職・ボランティア・仲間・近隣住民の方々との関わり、ご家族それぞれのご様子などについて、スライドを交えてお話して下さいました。
また、「親亡き後を見据えた仲間づくり、生活力の習得、地域の耕しなど」の活動に取り組んで来られたことも紹介されました。さらに、福祉サービスが拡大しているように思える一方で、サービスの質が必ずしも十分ではないと思われることや、そもそもサービス・支援につながらず、地域で孤立したり追い詰められたりしている方々の存在についても触れられました。行政がしっかり見守り・チェックしてほしいし、私たち一人一人ができることに取り組むことも大切というメッセージでした。
施設やサービスが整備されることはもちろん非常に大切ですが、形が整うだけでなく、そこで行われる支援の質の重要性を再認識しました。また、友人・知人・近隣住民などとのつながりが、知的障がいのある人やそのご家族の安心・安全・豊かな地域生活・人生を支えるのだということも、改めて痛感しました。
今年も大変貴重なお話を頂いた高島氏に、心よりお礼申し上げます。