2022.06.23 国際教養学科
ウクライナにおける人道的危機において、近隣国であるポーランドは様々な支援を行っています。国際関係論の授業の一環として、ポーランドの国立アダム・ミツキェヴィチ大学のシコルスカ教授及びウクライナよりポーランドの大学へ一時的に異動されているウクライナ国立工科大学教授にお話しをしていただきました。まず、シコルスカ教授よりポーランドとウクライナの歴史と、1960年代に国立アダム・ミツキェヴィチ大学とハルキウ大学との連携について、そしてポーランドが2014年以降にウクライナの難民支援を行っている説明がありました。
ポーランドとウクライナの州および自治体間レベルでは、ポーランド語センターの設立、考古学、生物学、言語学分野の共同研究、政治学、東洋学、法学の共同研究が行われています。
今回の人道的危機が発生した際は、ウクライナ人のポーランドへの移動、国立アダム・ミツキェヴィチ大学が250カ所の宿泊施設を提供したこと、教員や学生が難民を引き受けた際には、国立アダム・ミツキェヴィチ大学が物質的な支援などを行いました。ポズナンの中央駅においての受入れセンターでの学生のボランティアなど今回の支援に関わりました。
現在の状況は、ポズナンには10万人のウクライナ人が来ており、教育学専攻の学生は、生徒のためにデイ・ケア・センターを運営しています。心理的な支援が学生とその家族に実施されています。学生やその家族に対して宿泊施設の提供を行うとともに、ウクライナの大学の教員には国立アダム・ミツキェヴィチ大学での臨時的な採用を行っています。学士プログラムでは、20人のウクライナ出身の学生や10名の交換留学生を受け入れています。物質的な支援は勿論のこと、心理的なサポートの重要性が強調されています。
ウクライナ国立工科大学教授により、ウクライナの状況が伝えられ、実際に起こっている現実を目の当たりにすることになったが、ウクライナの学生の手記なども拝見することができ、大変貴重なお話しをいただきました。今後もこの人道的危機についてお話しを聴く機会を設けます。