神戸女子大学

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異常高温対策シンポジウム in 神戸2019「夏を乗り切る知恵と工夫」神女大教員が研究成果を発表

2019.7.5 学園広報

2019年7月5日・金曜日に三井住友銀行神戸本部ビルで神戸市企画調整局政策企画部都市戦略研究室による「異常高温対策シンポジウム in 神戸2019 夏を乗り切る知恵と工夫」が開催され、200人を超える市民の方が熱心に基調講演、研究成果報告とパネルディスカッションに耳を傾けました。神女大からは家政学科の平田 耕造教授、砂本 文彦教授がパネリストとしてそれぞれの研究成果を発表し、神戸市へ異常高温対策の施策を提言しました。

地球温暖化による気温上昇や都市における人工排熱の増加などが原因で、都市部のヒートアイランド現象が起こり、市民生活にも大きな影響が出ています。神戸市は快適な都市環境の保持を目的に、異常高温対策を実施する知見を得るため、神戸学院大学・神戸大学・神戸女子大学にヒートアイランド現象や蓄熱抑制など異常高温に関連する研究の成果を取りまとめ、市に施策の提言を求めました。このシンポジウムは、その研究成果を報告する場として開催されました。

砂本教授は、室内環境学、住生活文化学が専門です。室内でも約4割の人が熱中症になり、それを引き起こす環境要因を取り除くために、庇を多用している神戸の異人館や伝統的な日本建築をヒントの一つとして、歴史的・自然環境的な建築の知恵を取り入れた上に科学技術を生かした建築素材を使った住宅の設計を奨励しました。植物やオーニング等を使った日よけや板塀・生垣の推奨を図り、遮熱・断熱技術を取り入れた住宅の建築・改修には助成制度を取り入れることを提言しました。

平田教授は生活環境生理学が専門です。熱中症予防に有効は衣生活の提案をしました。日傘が熱を遮る効果が大きいこと、汗を吸収し速く乾くポリエステルの下着を着用する方が綿の下着よりも体温の上昇抑制をすること、開口部にゆとりのある服装は、煙突効果が発揮され衣服内の換気が促進されること、「ヒトの体温調節における動静脈吻合(AVA)血流量の研究」を基に、手・足の末端に多く存在するAVAが熱放射を行うことで体温を調節することを説明し、手・足を冷やすことは体温を下げる効果が大きいことなど、すぐに実行できる具体的な熱中症対策を説きました。

最後に平田教授は熱中症対策に効果を発揮する実物デモンストレーションを行い「扇風機付き日傘」と「ファン付き作業服」を家政学科の学生がモデルになって紹介しました。

異常高温対策シンポジウム in 神戸2019 夏を乗り切る知恵と工夫

2019年7月5日・金曜日 14:00~16:00

<第一部> 基調講演

  • 「異常高温災害“熱中症”対策を考える」
    服部 益治 医療福祉センターさくら院長

<第二部> 研究成果報告とパネルディスカッション

  • 「“風”を感じて熱中症を予防する」
    福島 あずさ 神戸学院大学人文学部講師
  • 「都市形態に注目した異常高温対策」
    竹林 英樹 神戸大学大学院工学研究科准教授
  • 「室内環境における異常高温対策」
    砂本 文彦 神戸女子大学家政学部教授
  • 「暑さと体温調節~熱中症予防に有効な衣生活」
    平田 耕造 神戸女子大学家政学部教授
  • 「異常高温に適応する都市~神戸の取組み」
    久元 喜造 神戸市長/コーディネーター
    服部 益治 医療福祉センターさくら院長
  • シンポジウムの様子1砂本 文彦教授の成果報告
  • シンポジウムの様子2平田 耕造教授の成果報告
  • シンポジウムの様子3パネリストとして出演、左から砂本教授、平田教授
  • シンポジウムの様子4コーディネーターの久元市長の発表
  • シンポジウムの様子5扇風機付き日傘のデモンストレーション
  • シンポジウムの様子6ファン付き作業服のデモンストレーション

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