神戸女子大学

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社会福祉演習Ⅱで外部講師による講義

2019.7.2 社会福祉学科 植戸

2019年7月2日・火曜日の3年生ゼミ、社会福祉演習Ⅱにおいて、恒例の外部講師による講義がありました。講師は、重度知的障がいのある40代男性の母親で、「NPO法人チャレンジひがしなだ」の理事をされている高島 順子氏、2019年のテーマは「歩いてきた道~続いていく道(障がいのある子を家族に迎えて)」でした。横山ゼミ、小笠原ゼミ、佐々木ゼミ、津田ゼミ、木村ゼミ、川端ゼミも合流し、合計35名の教員・学生がお話を伺いました。

まず、高島氏からは、息子さんの生い立ちから今日に至る歩みについてのお話がありました。息子さんの誕生から今までの写真をスライドで見せて頂き、母親として息子さんの障がいと向き合い、自分自身の気持ちの揺れを経験しながら、一生懸命にケアしてこられたことが伝わってきました。その上で、障がいのある人については、母親だけでなく父親や他のきょうだいもそれぞれに想いを抱いているということも話されました。そして、障がいのある人を支援する時には、施設の中で本人を支援するだけでなく、施設外での生活、家族、地域、将来のことも視野に入れてほしいとのことで、ソーシャルワーカーとして障がい者福祉に携わる時の大切な視点を教えて頂きました。

また、障がいのある人たちが「親亡き後」も地域でその人らしい生活を続けられるように、と立ち上げた「NPO法人チャレンジひがしなだ」の活動もスライドを交えて紹介して下さいました。知的障がいのある方、ご家族、ボランティア、地域住民の方々が、本当に明るく楽しく交流されている様子が伺え、「地域における共生」が実践されていると痛感しました。さらに、知的障がいのある本人と一緒に暮らしてきた高齢の親が亡くなっても、「NPO法人チャレンジひがしなだ」の仲間とのつながりがあるから、皆で支えていこうとしている、というお話もありました。地域で孤立する障がい者や高齢者のことが話題に上ることが増えてきましたが、日常的な人と人とのつながりの大切さを改めて認識することができました。

最後には、福祉を学ぶ学生に期待することとして、「障がいのある人を『困った人』して見るのではなく、『困っている人』ととらえて理解し、小さなことでも手を差し伸べてもらいたい。知的障がいのある本人・家族と支援者が、顔の見えるかかわりを通して、時間をかけて信頼関係を築き、安心してバトンタッチしていきたい。そういう支援者が一人でも増えることを願っている」というメッセージを頂きました。

2019年も大変貴重なお話を頂いた高島氏に、心よりお礼申し上げます。

  • 講義の様子1

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