2019.2.14 史学科 吉村
2019年2月14日・木曜日15時から、須磨キャンパスD館2階D219教室で、小林 善文教授の最終講義「中国環境史研究への道」を開催しました。小林教授は、2004年から長年にわたって神女大で教育・研究の任に当たられ、数多くの研究成果を発表されるとともに学生・大学院生の指導に日々ご尽力されてきました。
この日の最終講義は、まず小林教授ご自身によるご経歴の紹介に添うかたちで、歴史学研究への情熱とそれを実現されるにいたる着実な歩みについてのお話から始まりました。大阪、兵庫での高校教員時代、京都大学大学院時代をはじめ、節目となった折々での神女大史学科関係者との意外な接点も披露され、奇縁に来場者から驚きの声があがっていました。
研究の道を志された当時からのご専門であった中国近現代教育史に加え、中国環境史へのご関心を持つにいたった経緯にも言及されました。地元でのご自身の農業への関わりから、水の重要性を強く意識されていたとのことです。小林教授の授業ではお馴染みの手書き地図や、中国各地を訪問された際の貴重なお写真の数々のスクリーン映写をまじえ、その時々のエピソードを交えながら実体験ならではの表現で、現地事情を活き活きと語られました。最新の研究動向の紹介もあり、グローバルなスケールの問題でもある中国環境史という学問領域の意義と可能性、そして今後のご研究への意欲が伝わる興味深い内容でした。
当日は平日にもかかわらず、小林教授の教えを受けた在学生や大学院生、卒業生、教職員の方々が出席され、熱心に聴講されました。教え子を代表しての花束贈呈で感謝の意が示され、盛大な拍手の中、小林教授の今後一層のご活躍とご健康を祈りつつ閉会しました。