2018.9.19 家政学科 平田、砂本、西本
家政学科2年生の授業「フィールドワーク」では、2018年のテーマを「防災・減災」に設定して4月から学修を続けています。
前半の「フィールドワーク」では兵庫県淡路島・野島断層保存館の見学を通し、防災・減災の大切さについて学びました。後半の「フィールドワーク」では災害時にインフラストラクチャーの拠点となる事業所ではどのような対策が取られるのかを調査し、2018年9月18日・火曜日は、関西電力株式会社神戸支社、大阪ガス株式会社泉北製造所、19日は、神戸市水道局の奥平野給水拠点を見学させていただきました。3事業者とも、1995年の阪神・淡路大震災を教訓に、数多くの対策を行っていました。
2018年9月18日・火曜日の午前中に訪問した関西電力では、電気が届けられるまでの流れについて説明を受けました。電気はストックしておくことができないため、使用量と発電量のバランスを保つ必要があります。24時間365日体制で電気の流れを監視し、品質の良い電気を安定的に供給できる仕組みが作られていました。防災対策では、過去の災害を教訓に、地震・津波に強い設備づくりとして、発電所の震災対策や送配電・変電設備の震災対策が行われていました。また、いざというときに早期復旧を目指すための強固な災害対応体制として、大規模災害が発生した場合には、直ちに「非常災害対策本部」を設置し、対応を行うそうです。大規模災害発生を想定した、全社を挙げての年1回の防災訓練や非常用資機材の充実など、速やかな災害復旧対応へのたゆまぬ備えがされていました。
午後に訪問した大阪ガス泉北製造所は、液化天然ガスであるLNGを原料として都市ガスが製造されていました。全社ガス送出量の約70%を製造している、世界でも有数の規模と最新鋭の設備が備えられています。映像で都市ガスの製造工程を学んだあと、バスで工場内の施設を見学させていただきました。施設内は、津波対策として、浸水の恐れのある重要建物の水密化対策や設備のかさ上げなどの対策や、地震対策として、タンカーから工場へLNGを送る、アンローディングアームは、地震が起きた際にはガスの供給が自動的に停止するようになっているそうです。また、LNGタンクはいざという時に備えて、高度な安全構造になっていました。中央制御施室では工場内すべての設備を監視・操作ができ、24時間安定かつ効率的な都市ガス製造及び発電ができるようになっていました。
2018年9月19日・水曜日の午前中に訪問した神戸市水道局では、水道事業について、水質管理、貯水・浄水の仕組み、配水の仕組みをうかがいました。神戸市は起伏にとんだ地形で坂が多い街なので、それを活かした配水システムが作られています。また、無駄なく適切に配水できるように、遠隔操作で24時間水の量をコントロールしているそうです。防災対策では、阪神・淡路大震災を教訓に、災害に強く早期復旧が可能な水道づくりをめざし、設備が整備されていました。初期断水に対応する応急給水体制、早期に復旧できる水道システムの確立として、大容量送水管の整備、貯水機能のある災害時給水拠点、配水管の耐震化が進められていました。
午後からは神女大須磨キャンパスに戻り、応急手当普及員(救急インストラクター)の資格を持つ神女大の学生消防団員の学生から、AEDを用いた心肺蘇生法を学びました。
自然災害が多い日本では、いかにして防災対策をとり被害を少なくするかが国民的な課題です。学生たちは、インフラストラクチャーを維持・管理する事業所の対策を学ぶと同時に、個人でできることも数多く学ぶことができました。