2019.2.23 社会福祉学科
神女大社会福祉学科は、兵庫県の「福祉・介護従事者キャリアアップ研修事業」の補助金を受けて「地域」をキーワードに介護・福祉の現状と協働の取り組みを推進するための意見・情報交換を図る研修会を毎年開催しています。
2019年2月23日・土曜日には2018年度のまとめとして、医療・看護、在宅栄養、在宅介護の3分野から「在宅、住みなれたまちでの生活を支え続けるために」をテーマに、現状や事例の報告と意見交換・交流会を開きました。
まず神女短大・食物栄養学科の中野 佐和子助教から、在宅での療養生活を安定的に過ごすために、感染症を予防するとともに加齢による身体の機能低下を防ぐこと、高血圧、糖尿病、高脂血症などの悪化を予防して在宅療養を安定させるために栄養の関わりを、食品サンプルや実際の調理例なども含め紹介していただきました。
続いて神女大・看護学部の福山 敦子専任講師から、在宅療養を支える訪問看護の現状と問題点について、特に訪問回数が多くなる終末期については保険給付の制限がない「医療保険」による訪問が多いこと、ステーションの従事者に占める看護職の割合が下がり、リハビリなど関係する他職種が増えていることなどが紹介されました。また、地域活動の実践者には、「ユーザーの必要としていることに柔軟に対応するために、人間としての成熟したものを持っている」などの素質の必要性が強調されました。
兵庫県高齢者生協・専務理事で訪問介護ステーションながたの富岡 まゆみ氏からは、「在宅でのがん治療が必要な利用者への取り組み」について報告がありました。医療との連携が必要となった利用者に対して「訪問介護事業所がどのようにかかわり、利用者が望む在宅生活の継続を支えていけるか」について、利用者本人の個性や人間関係、生活背景を受けとめながら、日常生活を支えるための「介護事業所内のチームワーク」、「医療機関、行政などとの連携」が欠かせないことなどが紹介されました。
今回の研修には三分野の専門職と管理栄養士養成課程、社会福祉士養成課程の学生に医療機関の医療ソーシャルワーカー、介護事業所のケアマネージャーに加えて、保健所の精神保健福祉士、福祉事務所のケースワーカーが3名参加され、大変意義深い交流ができました。