2018.7.3 社会福祉学科 植戸
2018年7月3日・火曜日の3年生ゼミ、社会福祉演習Ⅱにおいて恒例の外部講師による講義がありました。講師は、重度知的障がいのある40代男性の母親で、『NPO法人チャレンジひがしなだ』の理事をされている高島 順子氏、2018年のテーマは「地域で暮らし続ける!はどのように?」でした。横山ゼミ、小笠原ゼミ、津田ゼミ、清水ゼミ、木村ゼミも合流し、合計39名の教員・学生がお話を伺いました。
まず、高島氏からは、息子さんの生い立ちから今日に至る歩みについてのお話がありました。わが子に障がいがあっても、子育ては親も育てられているし、数々の出会いの中で嬉しかったことや励まされたこともあるとおっしゃっていました。現在特別支援学校高等部である養護学校高等部を卒業後は、息子さんの将来の生活を考えながら模索してこられたとのことで、その中で確信したことが、「息子には地域で家のような暮らしが望ましい」ということだったそうです。まだ障がい者のためのグループホームも少なく、民生委員をはじめ近隣住民の方々に、地域で暮らす知的障がい者や親のことをもっと知って頂くことが必要だと気づかれたと話されました。そのためにも、「チャレンジひがしなだ」が地域の人たちとの交流を通じて相互理解を深めようとされているとのことでした。親が高齢になったときにはじめて、親子が地域の中で孤立していたと気づくことがあるので、そうならないように、仲間同士の支えあいや地域の方との交流を進めていきたいと語られました。
「『障がいのある人が地域で普通の暮らしをしたい』ということは、なぜ、それほど必死に願わないと実現しないのか。親は、信頼できる支援者にわが子のケアを託し、地域にバトンタッチしていきたい。そのために、知的障がいのある本人と家族と支援者が顔の見えるかかわりを通して、時間をかけて信頼関係を築いて、安心してバトンタッチしていきたい。そういう支援者が一人でも増えることを願っている」というメッセージが、大変印象的でした。
学生たちの感想
2018年も大変貴重なお話を頂きました。高島氏に感謝申し上げます。