地域連携・生涯学習のNews詳細
2013年10月18日
学園広報
まちづくりへの子どもの参画を推進する「地域安全マップ活動」プログラム開発
2013年10月18日・金曜日に神戸市立和田岬小学校において神戸女子大学家政学部 家政学科の梶木 典子准教授と大学院生3名とゼミ生10名が神戸市立和田岬小学校の5年生35名を対象にした神戸市兵庫区まちづくり課主催の「地域安全マップづくり教室」に参加協力し、司会進行、事前学習、児童の「まち探検」に同行し「安全マップづくり」をサポートしました。
梶木研究室では、2005年から「楽しく、簡単に!」をコンセプトとして「地域安全マップ活動プログラム」を開発してきました。児童館と小学校を対象にして、参加する子ども達は「主体的に」「楽しく」、指導する大人は「簡単に、負担なく」実践できるような「地域安全マップ活動」のプログラムの開発を目指し、改良を重ね、日常的・継続的に実施可能なプログラムの完成を目指し研究を続けています。
近年、子どもが巻き込まれる多様な犯罪や交通事故、大規模な地震や津波、集中豪雨による川の氾濫や洪水などの自然災害が多発し、安全なまちづくりは急務となっています。
このような状況の中、子ども達自身も危険を回避する力を身につけることも重要になっています。そのためには、日常的に、自分の地域の特徴を知ることや地域の人と顔見知りになることが重要で、その方法の一つが地域安全マップ活動です。
和田岬小学校は、南海トラフを震源とする巨大地震が発生した場合、発災90分後には、校区全体に最大で4.2メートルの津波が発生すると想定されています。この安全マップ活動では、「地震・津波」に対する防災・減災学習に力点をおいて実施されました。
事前学習で地震や津波のメカニズム、安全な避難の方法、避難場所などをクイズ形式で学習し、その後、児童と保護者や地域の方、学生、区役所職員も参加して8班に分かれ、探険手帳とデジタルカメラを持って、3・4時間目に校区内を点検しながら「まち探検」を行いました。地震が起きた際に危険になると思われる建物、避難する場合に安全と思われる道路、幅員が狭く救急車両が入ることができない道路、ブロック塀の続く道路などを確認するとともに、地域の方へのインタビューなども行いました。「まち探検」の途中、「地域の避難場所に行き、4.2メートル以上の高さの地点で班全員の写真を撮る」というミッションも各班に配信され、時間内に全班はミッションをクリアしました。
午後からは午前中のまちあるきの成果を取り入れた安全マップづくりの作業に入りました。完成した安全マップをもとに発表会を行い、全員でその内容を共有することができました。そして、最後のお楽しみタイムでは、危険が迫ったとき、助けを求める時に、大きな声を出せるように、班対抗の大声コンテストを行いました。力を合わせて「逃げろ〜」などの大声を出し、防犯ブザーに負けない声が出せることを確認しました。
和田岬小学校の5年生たちは、地域の避難場所・避難行動の方法をしっかりと確認し、防災・減災時の行動を自ら考え学ぶことができました。これからは、全校児童の防災リーダーとなり、地域への防災意識を高めるジュニアリーダーとしての活躍が期待されました。