地域連携・生涯学習のNews詳細
2009年2月25日
学園広報 橘
ポーアイ4大学連携事業−ポーアイ健康推進プロジェクト−
第7回「男性のための料理教室」を開催
2007年度は洋風メニューだったこともあり、2008年度は和風メニューに挑戦となりました。
挑戦するのは、「あなごの蒸し寿司」「清汁」「ブロッコリーのピーナツ和え」「かぶの柚子風味」「ミルクわらび餅」の5品。
調理に先立って中尾講師からは包丁の握り方や、均等に味付けするために大切となる大きさや素材に合った切り方をすることなど、調理をする上での総合的な注意事項と各品目別に調理方法についての説明が行われました。
特に男性向けとして手軽で簡単に調理するために、身近な食材を健康的に無駄なく活用するためのポイントやコツが盛り込まれており、調理のための時間のやりくりに頭を悩ませている方々にも大変参考になる実習内容となっています。参加者と学生達は中尾講師が行う調理のためのデモンストレーションと、レジュメを見比べながら、実際に行う時の調理のシミュレーションを熱心に行っていました。
中尾講師は調理実習において参加者一人ひとりの体験が偏ったものにならないよう配慮し、グループ内で調理や片付けを交代したり、分担して行うことで調理に関わる一連の体験が行えるよう指導しています。
「そうした『段取り』を考え工夫することも、おいしく食べるための調理のコツであり、食べることを意識して考えることにも繋がるため、全員に全ての作業を経験していただきたい」ということでした。
この「男性のための料理教室」は年1回しか開講されないこともあり、毎年楽しみに待っているという初回からの参加者を含め、リピーターが多いのが特色です。
エプロンにバンダナという颯爽としたいでたちの参加者の中で、最高齢の方は84歳。
「家でも料理はするよ。軍隊時代も炊事班にいたことがあるしね。料理するのは全然苦にならない。」と鮮やかな包丁さばきを披露し、年齢を聞いた学生達が「え〜!信じられない」とテキパキ調理する様子に感動する一幕も見られました。
初期の参加者の中にはこの講習会がきっかけとなり、「今では料理は趣味」という方もおり、「色々なコツを教えてもらえるので参加するのが楽しみ。年1回と言わずもっと行ってほしい」という熱烈な要望が毎年寄せられています。
最初はみなさんのパワーに圧倒され、問いかけや話に耳を傾けることに必死の様子だったサポートの学生達も、作業が進むに連れ穏やかで明るい会話に笑顔が増え、楽しいムードが実習室中にあふれたにぎやかな実習風景となりました。
段取りよく調理を進めると蒸し寿司が蒸しあがる頃には、全ての調理品目が完成すると同時に、調理で使用した調理器具も片付け終わります。完成した料理は試食室で班ごとにテーブルセッティングをし、会食を楽しみました。
「加齢とともに味覚で気をつけなければならないのは、高血圧の方には特に関係が深い『塩分』です。今日はお酢や鰹節を一緒に使用し旨みを活用することで、少々薄めかなと感じられる塩加減でも十分満足できるということを体験していただけたのではないかと思います。手抜きというのではなく、健康的に身近なものを上手に活かし、できるだけ素材そのものの旨みを味わうことができるよう薄味を心掛けましょう。そして楽しく作って楽しく食べることを大切にしてください。」と中尾講師が挨拶すると、「次はいつ?」「また来年?」と参加者から質問と共に笑い声が上がりました。
「そうですね。また来年お会いしましょう。さて来年はどんなメニューになるのでしょうか。みなさんお楽しみに」という挨拶に拍手が贈られました。
しかしこれで終わりではありません。後片付けまでが、食に関わる大切な作業です。これも班ごとに協力して行い、後片付けを終えた順に流れ解散となりました。すっかり打ち解け仲良くなった参加者と学生達が、名残惜しそうに挨拶を交わす姿が見られ、学生達にとっては「食」を通して多くの人と関わることの楽しさや喜びを学ぶことができた体験となりました。
参加して下さった皆様ありがとうございました。実習で培った健康な食の摂り方を実践して、健康な毎日をお送りください。また、来年ご参加いただけることを楽しみにしております。