神戸女子短期大学のNews詳細
2013年6月5日
学園広報
青年海外協力隊を経てアフリカの農村で道路整備に励む先輩の講義
2013年6月5日・水曜日に「キャリアへのアプローチⅠ」(中川 伸子教授、上野 和廣教授担当)の授業において世界各国の農村で道路整備の活動を行うNPO法人「道普請人(みちぶしんびと)」の職員としてアフリカで活躍している神戸女子短期大学第50期卒業生、酒井 樹里さんよる講義が行われました。「働き方と生きがいについて―青年海外協力隊、NPO職員、アフリカを通して―」という演題です。
酒井さんは2009年1月から2年間、ウガンダでJICA(日本国際協力事業団:Japan International Cooperation Agency)青年海外協力隊・村落開発普及員として、ネリカ米(*)の普及や農道補修活動を行いました。任期を終えた2011年1月には、外務大臣から感謝状が授与され、「JICAボランティア事業参加者への外務大臣感謝状授与式及び懇談会」では帰国ボランティアを代表して活動の報告を行った実績があります。
酒井さんはウガンダでJICAの専門家の指導・助言を受けてウガンダ人の同僚とともに農家にネリカ米の栽培を奨励し、栽培するようになった経緯を多くの写真を提示して講義しました。ネリカ米の生産者がそれを販売して収入を得るためには道路の整備が不可欠であることを痛切に感じ、その時に道路整備の指導をしてもらったことが縁でNPO法人「道普請人」の職員になったと説明しました。現在はケニア、ガーナ、タンザニアなどで道路整備の活動をしています。
NPO法人「道普請人」は日本の伝統技術「土のう」を使って道路整備を行っています。現地で調達できる材料のみで道なおしができ、現地の人々が彼ら自身の力で継続して維持管理できるのが特徴であると酒井さんは解説しました。
酒井さんはJICAとNPO法人「道普請人」の活動を通して国際協力とは、文化や生活習慣の違いはあるけれど人と人がお互いに足りないものを補い合うことなのだと感じていると話しました。周りの人を大切にすること、感謝する心をもつことをアフリカの友人に教えられたことや現地の体験や魅力を明るく楽しそうに後輩たちに伝えました。
「学生時代の勉強は大切ですよ。興味があることにはそれに向かって動いてください」と後輩たちに励ましの言葉が贈られました。
学生たちは講義を受けて自分がもっていたアフリカのイメージが一新し、興味のあることに積極的に取り組むことが自分の可能性を広げることにつながると教えられました。
※ネリカは、new rice for Africa(アフリカのための新しい米)の略。西アフリカ稲開発協会(現アフリカ稲センター WARDA)が1994年に開発した稲の一種。水田ではなく畑で育つ稲。干ばつや病気に強くて収穫量が多い。生育期間が3か月程度と通常品種より短いので年2回の収穫が可能。