神戸女子短期大学のNews詳細
2006年12月11日
「わくわくFarm」で深まる交流
「わくわくFarm」て何?
「ポートアイランド」は六甲山の山の土で埋め立てられた人工の島で、周囲はコンクリートの岸壁に囲まれ、緑の空間は公園だけです。つまり、ポートアイランドには畑も田んぼもないのです。そんなわけで、アイランドの子どもたちは、野菜が畑でどんな風に育っていくのか、また、畝作りから雑草取り、収穫といった農作業に触れ合うことがほとんど出来ません。勿論、幼稚園では植木鉢やプランターを使っての保育活動が行なわれていますが、もう少し本格的な菜園があったらいいのにね、といったことが学科会議などで話題に出ました。そして「神戸女子短期大学に菜園を作って、島に住む人に開放しよう」という声があがりました。
とはいえ、どの程度の規模で、どんな作物を植えればいいのか・・・声は出たものの、さて具体化は、ムニャムニャ。そんな時、「何はともあれ、やってみんとわからん、先ずは小さくてもいい。後はお天道様次第でいい、農業は天気次第だ」というわけで、神戸女子短期大学グランドの一隅に、写真のようなかわいい菜園が出来ました。ちなみに、「わくわくFarm」という名前は学生募集から決まりました。また、菜園の後ろの壁画は、美術系ゼミの学生が描いたものです。
ブロッコリー、元気に育つかなあ
9月29日、何人かの学生が夏の収穫が終わった「わくわくFarm」の畝の手入れをしました。石灰を撒き、堆肥や油かすを混ぜこんだりして学生たちは9畝を作りました。
10月13日、出来上がった畝に苗を植えるため、港島幼稚園の園児(5歳児41名、4歳児38名)と6名の先生と10名ほどの保護者が「わくわくFarm」にやってきました。選んだ苗はブロッコリー。
なぜブロッコリーを選んだかというと、実はスーパーなどで購入して食べるブロッコリーの小さな緑のポチポチ、黄色い可憐な花になるのです。そう、私たちが食べているのは、いわば蕾。来年、子どもたちとブロッコリーを食べたり、花も見てもらいたいとの思いで選んだのです。
植えた苗には、園児と学生の名前の入った小さな名札を立てました。そして、お弁当を頂いた後、学生は縄とびや絵本の読み聞かせで園児と楽しいひと時を過ごしました。
大変だ、虫さんがブロッコリー、食べてる
ブロッコリーの植え付けの時、保護者の方から園児と一緒に苗の生長過程の様子を見たいとの希望が出ました。そこで、10月30日と11月2日の2回、途中観察会を行ないました。その時、少し育ったブロッコリーの葉を虫が食べているをの園児が目撃、スーパーでは決して見ることの出来ない光景に園児はびっくりしたようです。「来年、花が咲くまで大丈夫かなあ」と心配顔の学生もいました。
ところで、11月18日と19日は神戸女子短期大学の学園祭(ブルーム祭)でしたが、人形劇など園児向けのプログラムもあるため何人かの園児がやってきました。そして、やっぱり気になるのかブロッコリーを観察していきました。
ともあれ、来年、黄色い花が咲いたら、このトピックスで紹介します。期待していてください。
「わー、でっかい芋だ・・・」
10月30日と11月2日には、ブロッコリーの観察とは別に、サツマイモと落花生掘りもあり、保育ボランティアの学生有志がお手伝いをしました。
「わくわくFarm」の芋ほりが、他の商業芋ほり農園と違うのは、サツマイモの蔓や葉っぱをそのままにしてあるところです。ですから、まず、蔓と葉っぱを剥がすところから体験できるというわけです。味のことを考えるとこの時期の芋ほりはちょっと遅かったのですが、その分、とっても大きな芋が幾つも収穫できました。園児もその大きさに歓声を上げていました。
学生の声
後期が始まって2月近く、「わくわくFarm」を介した学生の園児との交流で、学生たちは講義からは得られない経験をしました。その声を幾つか紹介します。
- S君と一緒に植えた苗に手を合わせて「大きくなりますように」と、お祈りしました。すごく真剣に手を合わせていてかわいかったです。
- ブロッコリー大きくなるかな?根っこどこまで伸びるかな?」と聞いてきたので、「お願いしたら大きくなるよ!一緒にお願いしよ!」と言いました。すると、土に手を当てて目をつぶってお願いをしていました。水をやって、土が水を吸ったら「ほんまに飲んでる。のどがかわいとんや」と言っていました。何度も何度も水をやって、最後にもう1度お願いしていました。
- 「あっ チョウチョ!」「チョウ とまらんかな・・」チョウが止まっている苗を選んで楽しそうにしていたのでよかったです。「もう1回お水行く」と水もがんばって運んで「大きくなってね」と私が葉を撫でると、同じように撫でたのでうれしくなりました。