2024.06.28 学園広報
本学は、このたび日本の歴史と文化に深く根ざした貴重な拝領品、十二単衣・檜扇・沓を三宮キャンパスにある神戸女子大学古典芸能研究センターにて展示しました。
十二単衣・檜扇・沓は、昭和13年12月、旧皇族 朝香宮孚彦王ご成婚のみぎり、千賀子妃殿下が着用された品々で、本学が神戸女子短期大学を開設した(昭和25年)頃、朝香千賀子様ご本人より拝領しました。
展示室では「華麗なる能扇の世界~江戸時代の復元を中心に~」も開催中で、ご来場の皆さまには貴重な十二単衣とともに、こちらもご覧いただくことができました。ここに展示することで本学の学生はもちろん、一般の方々にとって貴重な学びの機会となり、また、日本の文化遺産の保存と普及にも大きく貢献するものです。本学園は、日本の文化とその価値についての理解と啓発を促進する活動にも積極的に取り組んでまいります。
本学と朝香宮家との親交は、学園創設者、行吉國晴・哉女夫妻が昭和15年に設置した神戸新装女学院へ朝香宮鳩彦(やすこひ)殿下が時局教育視察として来臨されたことに始まります。
昭和18年当時、新装女学院では恩賜財団軍人援護会兵庫県支部の委託により、軍人遺族を迎えて洋裁技術教育を行っていました。同年11月18日、同会総裁であった殿下は、戦争未亡人の方々が自立のため洋裁技術の勉強に励む姿を視察され、本学へ社会に貢献し、軍人遺族の生活に役立つよう励ましのお言葉がありました。
終戦後にはご子息の朝香孚彦様が学園の顧問に就任されるなど、朝香家と本学の親交は長きにわたり深く豊かなものへと発展を遂げました。
朝香宮家について
朝香宮家は久邇宮(くにのみや)朝彦親王の第8王子鳩彦(やすひこ)王が明治39年に創立した宮家。 鳩彦王は、明治43年5月に明治天皇第8皇女允子(のぶこ)内親王とご結婚され、大正10年に白金台の御料地1万坪を下賜された。フランスのアール・デコ様式を配した旧朝香宮邸は、東京都庭園美術館本館として今に伝わる。