2019.2.17 食物栄養学科 西川、平田、下山、今江
神女短大食物栄養学科では、近年増加している食物アレルギーに対応できる栄養士養成をめざして、4年前から食物アレルギーに特化した科目を開講し、学生教育に取り組んでいます。
この講習会は、教育の一環として、また、子どもたちの食物アレルギーのより安心・安全な環境づくりの一助となることを目的として、保育施設の関係者に案内し開催しています。
2018年度は、「一般社団法人兵庫小児アレルギー研究会」との共催に加え、「認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワーク」の共催も得て、「第4回食物アレルギー講習会」を2019年2月17日・日曜日、神女短大ポートアイランドキャンパスで開催しました。日曜日にもかかわらず、保育関係者や学生など総勢約100名の参加がありました。
講演では、医療法人社団山城診療所山城小児科医院の山本 千尋氏より、「保育園での食物アレルギーの対応について」と題して、専門医の立場から食物アレルギーの基礎知識、アレルギー症状、アナフィラキシーへの対応、エピペンの使い方の体験など、わかりやすくお話をしていただきました。
事例報告1では、社会福祉法人山善福祉会しおさいこども園の境田 可奈子氏より「アレルギー食の管理」と題して、保育園での調理上のルールについて、調理指示表や受け渡し方法、また実際に起こったアクシデント例から人的ミスを防ぐための環境づくりなど、具体的な方法についてお話いただきました。
事例報告2では、社会福祉法人二人同心会認定こども園ポートピアの徳重 美穂氏より「食物アレルギーの対策について」と題して、食物アレルギー食を調理するまでの流れについて、献立作成や食材の確認、調理作業動線、食器の区別、記録を残すなど、具体的な対応についてお話いただきました。
また、パネルディスカッションは、神戸医療生活協同組合いたやどクリニック院長の木村 彰宏氏を座長に、パネリストとして先の講師3名と、神戸市こども家庭局子育て支援部の林 和美氏、認定NPO法人アトピッ子地球の子ネットワークの赤城 智美氏の2名も加わり行なわれました。最初に、林氏より神戸市の「平成29年度アレルギー誤食等発生状況」について報告いただき、次に、赤城氏より「幼児の誤食事例紹介」として、食物アレルギーがある人の暮らしに関するアンケートや電話相談などを通しての誤食事例を報告いただきました。参加者からの質問に応えながら、会場との意見交換が行われ、最後にパネリストから会場の皆さんに、今後の取り組みについての提言があり終了しました。
参加者からは、「参考になるお話ばかりであっという間の時間でした」、「他園のアレルギー対応を知ることができとても参考になった」、「保育士との連携が重要なので、情報共有をしっかりしたいと思う」、「知識が子どもを守るということばを聞いてこの講習会に参加してよかった」など、感想をいただきました。多くの皆様にご参加いただき、誠にありがとうございました。