2017.11.26 食物栄養学科 教職実践演習担当 西川・平野・吉泉
2017年11月26日・日曜日、2017年も、神戸市社会福祉協議会神戸市総合児童センター主催の“ヘルシーおやつクッキング”がこべっこランド6階の料理教室で開催され、食物栄養学科の栄養教諭をめざす2年生6名、1年生9名の学生が参加しました。
2年生は企画と調理方法の全体指導、“まごはやさしい”のミニ講義を担当し、1年生は4グループに分かれた児童の調理支援を担当しました。2017年度の2年生は、「おからとゴマのクッキー」・「さつまいもの蒸しパン」・「おもちピザ」のヘルシーおやつを提案しました。レシピづくりの段階で何度も作り直した苦心のヘルシーおやつ三品です。
入念な説明のリハーサルをくり返し、いざ本番。
参加した児童は、小学校低・中学年の児童が中心です。どちらも定員24名で午前の部が22名、午後の部が23名でしたが、どの子どもも意欲的でひと言も喋らずに学生の説明に耳を傾け、調理のお手本を示す学生の手元を食い入るように見ていました。ヤル気いっぱいの子どもたちのおかげでテキパキと調理が進みました。すべてのグループが時間内に美味しいおやつをつくり上げることができ、職員の方から「とても説明が分りやすかった」とのお褒めの言葉もいただきました。
無事に終了した2017年の“ヘルシーおやつクッキング”でしたが、今回の“ヘルシーおやつクッキング”一番のニュースは、学生のストレートな発想と行動力が発揮された“ごま”の特別講義でした。
学生たちは、子どもたちに“ごま”に興味をもってもらうにはどうしたらよいかと知恵を絞り、子どもたちに本物の“ごま”を見せるという企画を立案しました。そして、兵庫県西脇市が「日本のへそごま」として金胡麻を生産し、食育にも力を入れているという情報をキャッチするやいなや、西脇市の農林振興課に「本物を子どもたちに見せたいので収穫前の胡麻のさやであるさく果を分けてほしい」とお願いをしていました。
随分と唐突でご迷惑なお願いでしたが、農林振興課の方は快く引き受けてくださり、ありがたいことに収穫前の“ごま”の束を手に入れることができました。これに力を得た学生たちは、“ごま”を内包するさやである“さく果”の模型をつくり、子どもたちの「ひらけごま」の呪文でさやであるさく果を開けて中の様子を観察させるというアイデアにたどり着きました。さらに、実物に触れさせた後に簡単な収穫の実演を見せる講義の流れを構想し、最後に “ごま”を摺ってその香りを体験することで学習をまとめるという五感に訴えるミニ講義の展開を考え出しました。
参加した子どもたちは“ごま”の栽培を目にしたことがなく、写真で説明される“ごま”の生育の話に聞き入っていました。
模型の“ごま”のさやであるさく果が開くと驚きの声を上げ、その後全員が、収穫が終わった実物の“ごまのさやであるさく果”を手に取ってその大きさや重さ、構造や手触りなどを確かめていました。
収穫の実演では、“ごま”がパラパラと落ちる様子を見て大きな歓声を上げたり、落ちる音に耳をすませたりしていました。
最後の“ごま”の香り体験で子どもたちの「いいにおい!」、「お腹がすいた!」などの感想が聞かれたところでミニ講義が終了し、試食に向かいました。
15分間の短い“ごま”のお話でしたが、子どもたちは五感を働かせて意欲的に参加してくれました。「本物」が予想以上に子どもたちの興味や関心を引き出したことに、指導にあたった学生たちも改めて「本物」の教材の力を実感することになったミニ講義でした。