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古典芸能研究センターは、行吉学園発祥の地である三宮キャンパス(神戸市中央区)にあります。
能楽資料の橘文庫、民俗芸能資料の喜多文庫をはじめ、古典芸能や民俗芸能に関する書籍・資料を幅広く備えた研究施設です。芸能に関連する様々な分野の資料を収集しており、個別の分野はもちろん、より総合的な調査・研究の拠点となっています。
なお、所蔵する資料は、学生・社会人を問わずどなたにもご利用いただけます。

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最新情報

最終更新日:2024年9月6日

9月の資料

古典芸能研究センター所蔵の様々な資料の中から、毎月1点紹介します。


資料画像
十二編1丁裏・2丁表(上巻)
蝦蟇と児雷也(左)、妻の綱手と蛞蝓(右)、妖賊の大蛇丸(中央)

志水文庫蔵  『児雷也豪傑譚』
(じらいやごうけつものがたり)
刊 小本 全43冊
江)甘泉堂和泉屋市兵衛

 江戸時代後期の長編合巻。全四十三編172巻(各編4冊合2冊)、未完。初編~十一編は美図垣(みずかき)笑顔(六編~十一編の実作は一筆庵主人)、十二編~三十九編は柳下亭種員(たねかず)、四十編~四十三編は柳水亭種清(たねきよ)作。挿絵は歌川国貞・同 国輝(くにてる) ・同 国盛(くにもり)・二世歌川国貞・歌川国芳(くによし)・同 芳房(よしふさ)・同芳幾(よしいく)が担当して、天保十年(1839)~明治元年(1868)に刊行された。  本書に先行して文化三~四年(1806-07)、感和亭鬼武(かんわてい・おにたけ)が、中国・宋の沈俶(しんしゅく)撰の説話集『諧史(かいし)』に登場する盗賊「我来也(がらいや)」の話を翻案して、『自来也説話』を執筆。義賊「自来也」の伝奇・英雄譚として人気を得た。(この作品は同年秋に大坂角の芝居で『柵(やえむすび)自来也談(ものがたり)』として劇化上演、四世市川団蔵が主演しその当り役の一つとなった。)この作品をさらに発展させたのが本作で、児雷也の風貌は優雅な美男に描かれている。
 本作の主人公の児雷也は九州豪族の遺児尾形周馬(しゅうま)で、越後妙香山の仙人から蝦蟇(がま)の妖術を授かり、家再興のため各地に出没して悪人を懲らしめるのがメインのストーリーとなる。越中立山の蛞蝓(かつゆ)仙人からなめくじの妙術を得た美女綱手(つなで)を妻とし、悪賊の大蛇丸(おろちまる)と蝦蟇・蛇・なめくじの三すくみの妖術乱闘が繰り広げられ、さまざまに展開するが未完。先行作の蝦蟇・大蛇の妖術に加えて蛞蝓を登場させ、主人公の児雷也も「自来也」と壁書する義賊から、家名再興を志す公達に改められている。
 本作は、作者が何度も変わっており、読者からの続編の要望に応えての続刊ゆえ趣向は一貫していないが、合巻中屈指の長編とされる。嘉永五年(1852)には河竹新七(黙阿弥(もくあみ))が歌舞伎に脚色、八世団十郎が自雷也を演じて評判をよんだ。またこの後も『女自来也』『絵本児雷也物語』などの模倣作を生み、大正期には映画にもなり、広く大衆のアイドル的存在となった。


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